医院名:兒玉医院 住所:〒270-0026千葉県松戸市三ヶ月1543番地 
電話番号:047-345-6971

大腸カメラ

大腸内視鏡(大腸カメラ)とは

大腸内視鏡肛門から盲腸までの大腸のすべてを検査し、大腸ポリープ、大腸がん、潰瘍性大腸炎などの診断に用いられます。なお、切除が必要な大腸ポリープがあった場合は、事前に注意事項や合併症など説明し同意されれば検査と同時に治療(日帰り内視鏡手術)も可能です。また、以前に内視鏡検査のご経験がある方は、胃カメラ・大腸カメラを同じ日に検査することも可能です。

このような症状がある方は、一度検査を受けましょう

  • 排便時に出血がある、または便に血が混じるなどの血便症状がある
  • 便潜血検査で陽性が出た
  • 健康診断で貧血を指摘された
  • 急な体重減少
  • 腹痛や腹部膨満感などのおなかの不調が続く
  • 便秘や下痢といった便通異常が続いている
  • 過去の検診で大腸ポリープを指摘された
  • 近親者に大腸がんにかかった方がいる
  • 40歳を過ぎて一度も大腸内視鏡検査を受けたことがない

検査を受けるタイミング

タイミング厚生労働省が発表したがん統計では、すべてのがんの中で大腸がんが男女合計罹患数1位、大腸がんによる死亡数はこれまでの20年間で1.5倍に増加したという報告がされています。大腸がんは内視鏡検査であれば早期発見が可能で、そこで適切な治療を受ければほとんどのケースで完治できる病気です。また、内視鏡検査では将来大腸がん化する可能性がある大腸ポリープの発見と切除が可能ですから、定期的な内視鏡検査を受けることで大腸がんは予防できるのです。
大腸がんはかなり進行するまで自覚症状がほとんどないため、リスクの高くなる40歳を超えたら症状が特になくても内視鏡検査を受けることが予防につながります。なお、ご家族に大腸がんにかかった方がいるなど高リスクの方は40歳前の内視鏡検査をおすすめしています。

大腸がんと大腸内視鏡

大腸がんはほとんどの場合、良性腫瘍の大腸ポリープから発生します。発症率や死亡率の高い陥凹型(凹んだ形の)大腸がんや前がん病変である大腸ポリープは自覚症状に乏しく、内視鏡検査でしか発見できません。逆に言えば、定期的な内視鏡検査を受けて、発見された大腸ポリープを切除してしまえば将来のがん化を防げるのです。大腸がんの発症には遺伝や加齢の他に、飲酒、喫煙、食の欧米化、運動不足などの生活習慣が大きく関わっているため、高リスクの場合には30歳を超えたら、それ以外の場合は発症リスクが上昇しはじめる40歳を超えたら、症状がなくても内視鏡検査を受けるようにしてください。
当院では検査を受ける皆様に年齢や体格に応じて鎮痛剤や鎮静剤を併用した痛みや苦しさを最小限に抑えた無痛内視鏡検査を行っております。
また、検査前には安心して検査が受けられるように十分説明しますので、お身体に、そしてお気持ちにも負担の少ない検査を行うことで、気軽に内視鏡検査を受けられるようにしています。これにより、地域から大腸がんによる死亡者数を減らし、つらい治療を受けずにすむ方が増えることに貢献できればと考えています。

検査で見つかる疾患

  • 大腸がん
  • 大腸ポリープ
  • 潰瘍性大腸炎
  • クローン病
  • 過敏性腸症候群
  • 大腸憩室症
  • 痔疾患

など

大腸内視鏡検査の特徴

1苦痛が少ない挿入法

苦痛が少ない大腸は、鋭角に曲がった形状が多く、腹壁に固定されている部分と固定されていない部分があり、ぶらぶらの状態です。そのため、内視鏡を無理に押し込みながら挿入すると、大腸が伸びた状態になり、痛みを伴います。大腸内視鏡検査が痛いという理由の多くが、この大腸が伸ばされることによって起こる痛みが原因です。
当院では、原則として年齢や体格に応じて、大腸を伸ばさずにたたみこみながら進めていく、浸水法による無送気軸保持短縮法という技術を基本とし、ファイバーの硬さを自由に変えられる細径可変式ファイバーを駆使して痛みをできる限り感じさせない検査を行っております。
また当院では吸収性の高い炭酸ガス送気装置を採用しており、検査中や検査後のお腹の張りを最小限にしています。

2最新の内視鏡システムを導入

当院の内視鏡システムは、オリンパス社製の最上位機種である『EVIS X1』を導入しております。経験豊富な専門医による的確な内視鏡技術と知識、そして世界の最先端テクノロジーを駆使した鮮明な内視鏡画像があってこそ、微細な変化を見出し微細な早期がんを発見することが可能となります。スピーディーで精緻な検査は、病気の早期発見、早期治療に繋がり、医療サービスを受ける患者様に多大な利益をもたらします。大学病院等の大きな病院に行かなくても、身近な医療機関でも最新の内視鏡検査が可能となりました。是非ご利用ください。

画像提供:オリンパスマーケティング株式会社
NBI拡大観察

NBIがんは異常増殖する細胞ですから、そのためにたくさんの血液を必要とします。通常光では発見できない大きさ・形状の早期がんの場合も、血管に強く反応する特殊な光を用いることでがん細胞の周囲に集まった毛細血管の様子を一目で確認することができます。NBIは青と緑の光を照射して微細な血管を検知することで早期のがんや前がん病変など見逃しやすい病変の発見を可能にします。
NBIが登場した時には咽頭や食道といった扁平上皮領域に発生したがんの早期発見能力が注目されましたが、明度が向上した当院の機器では胃や大腸の病変発見にも有効です。さらに、80倍という拡大による微小構造や微小血管観察が可能ですから、大腸がん・腺腫(切除すべき大腸ポリープ)・過形成ポリープ(経過観察可能な良性病変)の鑑別など的確な内視鏡診断と、過不足ない安全で適切な内視鏡治療にも大きく役立っています。

3専門性の高い診断と地域完結型治療

当院での大腸ポリープ切除とADR(大腸腺腫検出率)の実績(図1、2)


大腸がんの大部分は大腸腺腫(以下、腺腫)が成長して発生する(adenoma-carcinoma sequence)といわれており、腫瘍性ポリープである腺腫を切除することで、大腸がんの予防が可能です。いっぽう、非腫瘍性ポリープである過形成性ポリープ(一部のものを除く)は経過観察可能な病変です。後者も切除している医療機関も少なくないのが現状ですが、当院では、拡大内視鏡やNBI観察によって切除前に両者を鑑別し切除が必要なポリープのみを切除しています。令和2年から4年までの3年間に当院では、842個の大腸ポリープを切除していますが、切除が必要な腺腫以上の腫瘍性ポリープは735個で87.3%でした。図1に当院での大腸ポリープ切除における過去3年間の切除ポリープ数と腫瘍性ポリープ率の経年変化をお示しいたします。徐々に診断率が向上し、令和4年は91.4%でした。腺腫以外のポリープは割と大きな過形成性ポリープや若年性ポリープが含められており、腺腫以外でも臨床的に切除が望ましいと判断したものも切除しているので、実際はより高率なものとなります。
また、大腸内視鏡検査の正確さ・質を示す指標(Quality indicator)の一つにADR(Adenoma Detection Rate:大腸腺腫検出率=大腸腺腫発見者数/全大腸内視鏡検査数x100)という数値があり、米国では到達目標が25%以上に設定しています。図2に当院でのADRの過去3年間の実績をお示しします。令和4年は37.8%あり、一定基準以上の水準を満たしていると思われます。当院ではあまりポリープの無い年代が罹患する潰瘍性大腸炎やクローン病の方の定期検査も数多く行っておりますので、ADRは低めに算出されます。
当院の大腸内視鏡検査・治療は、日本消化器内視鏡学会専門医(2005年取得)、日本大腸肛門病学会専門医(2012年取得)を5年毎に更新・保持しているベテランの検査医(院長)が全て一人で行っておりますので、1日の検査数に限りはあるものの、1日の検査数がより多くても内視鏡検査医の経験や質にバラつきのある医療機関と違い、いつ検査や治療を受けても上記のような一定以上のQualityが裏付けされた医療サービスを受けることができます。

 

当院での大腸がん発見とその後の治療の実績(図3、4)


コロナ禍であった令和2年から4年までの間も当院では積極的に大腸内視鏡検査を施行していたことで、図3にお示ししたようにその3年間で計40名の大腸癌を発見しました。
図4にその後の治療経過をお示しします。当院で診断された早期大腸がん13名は当院の日帰り手術のみで、6名は連携している新松戸中央総合病院消化器内科で短期入院による内視鏡治療(ESD)によって治療が完遂されました。また、外科的治療が必要となった19名中15名が新松戸中央総合病院外科にて最新鋭のロボット支援手術などの低侵襲鏡視下手術による根治術が遅延なく施行され、合併症も無く早期に社会復帰を実現しています。当院は近隣の新松戸中央総合病院と強固に連携しておりますので、当院で大腸がんが発見された場合、都内や他市のがん専門病院や大学病院に行かなくても、松戸市内で全ての治療が完遂できる地域完結型大腸がん治療が可能です。
大腸がんは早期発見、早期治療によって完治が期待できる癌腫です。便潜血が陰性でも、50歳を過ぎたら一度は大腸内視鏡検査を受けて、前癌病変である大腸ポリープを早期に切除し予防することを強くお勧めします。特に大腸がんや大腸ポリープの家族歴がある方は、もっと早めに検査をご検討ください。

4鎮静剤を用いて痛みを抑え楽に受けられます

鎮静剤大腸内視鏡検査は、長くて太い大腸に空気を入れて観察するので、お腹が張ったり、強い曲がり角を通過する際に痛みを伴うことがありますので、お身体にもお気持ちにも負担がかかります。そのため、当院では、検査を受ける皆様がリラックスして検査を受けられるように、年齢や体格に応じて鎮痛剤や鎮静剤を使った内視鏡検査を行っています。
ウトウトしている間に検査が終わりますので、痛みや不快感はありません。身体に無駄な力が入らないためスムーズに検査でき、時間の短縮にもつながります。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)の流れ

Step1ご予約

ご予約大腸内視鏡検査は基本的に、検査前に一度来院していただき、診察を受けていただく必要があります。
お薬手帳をご持参いただき、抗血栓薬(血液をサラサラにするお薬)を内服している方、慢性便秘の方、糖尿病の方などはお知らせください。検査(治療)の方法や偶発症などの詳しい説明を医師が行い、同意をいただいた上で検査予約を行います。
当院では基本的に切除が必要な大腸ポリープがあった場合は、その場で同時に大腸ポリープを切除するという『あったらポリープ切除』という方針で大腸内視鏡検査を受けて頂きます。なお、大腸ポリープを切除した場合は、検査後約1週間は食事内容を制限し、アルコール摂取・激しい運動・旅行(出張)を控えていただきますので、検査日を決める際はご留意ください。指輪などの金属性のアクセサリーは、電気メスを使用する場合、熱傷の恐れがありますので、当日はしないでください。

Step2検査前日

検査前日検査前日は、消化の良いものを摂取し早めに夕食をお済ませ下さい。夕食後は絶食になりますが、水分は摂取できます。夕食後に下剤(主に固形便を出すための大腸を刺激するお薬)を内服してください。

Step3検査当日

朝食と昼食は食べられませんが、朝はゼリー・ヨーグルト等であれば接種可能です。水分は多めにお取りください。当日の常用薬内服についてはこちらの指示に従ってください。指定された時間に内視鏡検査用の経口腸管洗浄液(大腸内を洗浄して綺麗にするためのお薬)をご自宅で約2時間かけてゆっくり内服していただきます。何回かトイレに行き、きれいな黄色の水様便になれば検査が可能になります。検査開始10分前にご来院ください。
なお、検査は鎮痛剤(鎮静剤)を使用します。検査後当日はご自身での乗り物の運転が出来ませんので、ご注意ください。

Step4検査開始

検査開始受診時に排便状況を記入した用紙を提出していただき、血圧測定など行います。検査時間になりましたら、検査室に移動し、検査着に着替え検査台に横になっていただきます。安全のため、検査中は点滴を行います。点滴から鎮痛剤(鎮静剤)を注射し、検査を開始致します。指に装着する酸素飽和度モニターで循環・呼吸状態を管理しますので、マニュキュア等はしないでください。
検査時間は15分~30分程度で終わります。
検査中、切除が必要と判断されたポリープを認め、事前に同意が得られている場合はその場で切除致します。

Step5検査終了

検査終了検査後は、麻酔が効いているため、30分ほど休憩していただきます。その後、診察室で検査結果の写真を供覧し説明致します。また、内視鏡写真付きの検査説明用紙をご提供致します。
ポリープを切除しなかった場合、飲食はすぐにできますが、検査当日の暴飲暴食や運動は控えてください。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ検査)の料金

診察料・使用薬剤他 約1,100円
大腸内視鏡検査(検査のみ) 約4,700円
合計 約5,800円

追加料金

病理組織検査(1臓器あたり) 約4,000円

日帰り大腸ポリープ切除

日帰り大腸ポリープ切除(1臓器あたり) 合計 約19,000~約25,000円

※表示金額は、保険診療3割負担の自己負担金を算定したものです。